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育児時短就業給付について手続き方法等、社労士がわかりやすく解説!!

更新日:6 日前


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2025年4月から施行される「育児時短就業給付」は、育児と仕事の両立を支援する新たな制度です。本記事では、その概要や支給条件、申請方法について詳しく社労士が詳しく解説します。


📚 目次





🍼 育児時短就業給付とは?


「育児時短就業給付」は、2歳未満の子どもを育てるために所定労働時間を短縮して働く雇用保険の被保険者に対し、時短勤務中の賃金の一部(時短中の賃金月額の10%)を補填する給付制度です。これにより、育児と仕事の両立を図る従業員の経済的負担を軽減し、柔軟な働き方を支援します。



✅ 育児時短就業給付ができた背景


育児時短就業給付が創設された背景には、経済的な負担と労働力不足があります。

時短勤務を選ぶと、一般的にフルタイムより給料が下がります。また、第1子の出産を機に退職する人の割合は年々減少しているものの、いまだに約3割が仕事を辞めているのが実情です。とくに、パートや派遣など正規以外の働き方をしている人の就業継続率は正規職員の半数程度と低水準です。こうしたことからも、育児世帯がキャリアを諦めることなく、柔軟な働き方を選べる社会の実現が期待されています。




✅ 支給対象者と条件


以下の条件を満たす方が支給対象となります:

• 雇用保険の一般被保険者または高年齢被保険者であること

• 2歳未満の子どもを養育しており、1週間あたりの所定労働時間を短縮して就業していること

• 育児休業給付の対象となる育児休業から引き続き、同一の子について育児時短就業を開始したこと、または、育児時短就業開始日前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上ある完全月が12か月あること


✅ 支給対象期間


支給対象となるのは、育児時短就業を開始した月から終了する月までです。子どもが2歳に達した場合や、産前産後休業、育児休業、介護休業のいずれかを開始した場合は、その時点で支給対象外となります。


例1 4月16日〜3月2日まで時短勤務の場合

4月〜3月までが対象


例2 4月16日〜3月2日まで時短勤務をし、3月2日で退職した場合

4月〜2月までが対象


💰 支給額と計算方法


支給額は、原則として時短勤務中の各月に支払われた賃金額の10%です。

ただし、以下の点に注意が必要です:


• 支給額と賃金の合計が、時短勤務を開始する前の賃金を超えないよう調整される

• 支給限度額は月額459,000円(2025年7月31日までの金額)

• 支給額が2,295円を超えない場合は支給されない


※支給限度額とは賃金+支給額の合計の限度額



具体的な支給額の計算例:

• 時短勤務前の賃金:300,000円

• 時短勤務中の賃金:260,000円(賃金率86.6%)

• 支給額:260,000円 × 10% = 26,000円





📝 申請手続きの流れ


申請は原則として事業主を通じて行いますので、特段本人が用意する書類等はありません。手続きの概要は以下の通りです:


1. 育児時短就業開始時賃金の届出

2. 受給資格確認

3. 支給申請


添付書類:賃金台帳、出勤簿、タイムカード、労働条件通知書等


初回の申請時には、「雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書・所定労働時間開始時賃金証明書」の提出が必要です。ただし、2025年4月1日以降に育児休業給付を受けていた場合は提出不要です。


支給申請は、原則として2か月ごとに行いますが、1か月ごとに申請することも可能です。申請期限は、支給対象月の初日から起算して4か月以内です。 


例 4月21日〜育児時短就業を開始した場合

7月31日までに手続き


※2025年4月1日より前に育児短時間を取得している場合は手続き上、育児短時間開始日を2025年4月1日として、雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書・所定労働時間開始時賃金証明書を作成します。


※詳しい書類の記入例等は厚生労働省ホームページをご確認ください。



🔍 社労士からのアドバイス


育児時短就業給付は、育児と仕事の両立を支援する重要な制度です。企業としては、従業員が安心して時短勤務を選択できるよう、制度の周知と適切な労務管理が求められます。また、申請手続きの正確な対応が必要となるため、社労士として企業へのサポートを強化していくことが重要です。


病院、クリニック、歯科医院など医療業に強い社労士事務所は

MSL社会保険労務士事務所




✅ まとめ


2025年4月1日より前に育児短時間勤務をしている場合、育児短時間を取得してからの雇用保険被保険者休業開始時賃金月額証明書を作成する場合が多いため、2025年4月1日以降と給与額が変わらず、受給対象にならない場合がある。






社会保険労務士 綱島 渉



経歴

1989年 神奈川県生まれ

2013年 明治大学 理工学部 応用化学科 卒業

2013年 医療業界 人事部 入社

2023年 MSL社会保険労務士事務所 開業


約10年医療業界の人事部にて採用活動、人材定着プラン作成、労務トラブルの解決、就業規則の作成、労働、社会保険の手続き、給与計算業務に従事しておりました。

また、管理職も経験させていただきました。今まで、培った経験、専門知識、若さを活かし、お客様を全力でサポートさせていただきます。




 
 

MSL社会保険労務士事務所

〒243-0201 神奈川県厚木市上荻野2274-3

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