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【社労士が解説】失業手当(基本手当)とは?受給条件・金額・期間・申請方法

更新日:9月16日


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✅ 目次




 1. 失業手当とは?


離職後の生活を支えつつ再就職を支援することを目的に、雇用保険から支給される「基本手当」。定年、倒産、契約満了など幅広いケースが対象です。

失業手当と言われることが多いですが、正式名称は「基本手当」になります。



 2. 受給資格と対象者


2.1 一般受給資格者

離職前2年間に被保険者期間が通算12ヶ月以上ある方が対象。ハローワークでの求職申込み、就職意思・就労能力が条件。


2.2 特定受給資格者・特定理由離職者とは

倒産・解雇などやむを得ない事情による離職者は被保険者期間が6ヶ月以上で受給可能。教育訓練や所定給付日数も有利になります。



 3. 支給期間(所定給付日数)の目安

• 一般受給資格者(就職困難者):90日~360日(年齢・被保険期間・離職理由による)

• 特定受給資格者等:より長期間(最大360日)支給されるケースあり



・一般受給者

被保険者期間

受給日数(全年齢共通)

10年未満

90日

10年以上20年未満

120日

20年以上

150日

※特定理由離職者については、被保険者期間が6か月(離職以前1年間)以上あれば基本手当の受給資格を得ることができます。



・就職困難者


1年未満

1年以上

45歳未満

150日

300日

45歳以上65歳未満

150日

360日



・特定受給資格者及び一部の特定理由離職者

年齢    

被保険者期間 1年未満

1年以上5年未満

5年以上10年未満

10年以上20年未満

20年以上

29歳以下

90日

90日

120日

180日

-

30〜34歳

90日

120日

180日

210日

240日

35〜44歳

90日

150日

180日

240日

270日

45〜59歳

90日

180日

240日

270日

330日

60〜64歳

90日

150日

180日

210日

240日

※特定理由離職者のうち「特定理由離職者の範囲」の1に該当する方については、受給資格に係る離職の日が2009年3月31日から2027年3月31日までの間にある方に限り、所定給付日数が特定受給資格者と同様となります。



✅ 特定受給資格者とは?


会社都合など、自己の責めに帰さない理由で離職したとハローワークが認定した人。

失業給付の給付制限(通常2ヶ月)がなく、手厚い支援を受けられます。


主なケース


◉ 会社の都合での離職

  • 会社が倒産、廃業した

  • 事業縮小で大量離職(1ヶ月に30人以上)

  • 事業所が移転して通勤困難になった

  • 会社が解雇(重い自己都合以外)


◉ 働く条件が著しく悪化

  • 労働条件が事前説明と著しく異なる

  • 賃金が大幅に未払い・大幅減額

  • 月80時間以上の残業が常態化

  • 妊娠・育児・介護に対する不当な扱い

  • パワハラ・セクハラなどが原因

  • 退職勧奨(リストラ)


◉ 契約更新拒否(特定条件あり)

  • 有期契約で3年以上働いた後の更新拒否

  • 明示的に更新ありとされていたが拒否された



✅ 特定理由離職者とは?


自己都合退職だけれど、やむを得ない正当な理由があると認定された人。

給付制限はあるが、就職支援などは手厚くなります。


主なケース


◉ 契約更新がなかった

  • 契約更新を希望したのに不更新だった(更新が確約されていない有期契約)


◉ 正当な自己都合

  • 病気・けが・妊娠・出産・育児による退職

  • 家族の介護・看護が必要になった

  • 家庭の事情(親の死亡や急変など)

  • 結婚や配偶者の転勤で引っ越しが必要

  • 通勤困難(交通機関の廃止、遠方への転勤命令など)

  • 企業側の整理退職で応じた(ただし勧奨でない場合)



🔍 特定受給資格者と特定理由離職者の違いまとめ

項目

特定受給資格者

特定理由離職者

離職理由

会社都合など

やむを得ない自己都合

給付制限

なし

原則あり(2ヶ月)※状況により免除も

求職活動の支援

手厚い

やや優遇

早期の給付

△(制限あり)









 4. 失業手当の金額の計算方法


• 賃金日額:離職前6ヶ月の給与合計 ÷ 180日

• 基本手当日額:賃金日額の約50〜80%(60歳~64歳については45~80%

※賃金の額が低い方ほど高い率になっています。

年齢

上限額

30歳未満

7,065円

30歳以上45歳未満

7,845円

45歳以上60歳未満

8,635円

60歳以上65歳未満

7,420円



 5. 再就職支援と付随する手当


5.1 職業訓練受講手当・通所手当

公共職業訓練受講時に日額500円+通所交通費支給。


5.2 技能習得手当・寄宿手当

訓練受講日には500円支給。必要に応じ月42,500円まで交通費や10,700円の寄宿手当。


5.3 傷病手当・高年齢求職者給付金・特例一時金

病気等で求職できないときや高年齢・短期雇用者向けの特別給付も用意。



 6. 受給手続きの流れと必要書類


1. 離職後すぐにハローワークで求職申込み

2. 受給資格決定後、失業認定日に出席

3. 必要書類:離職票、雇用保険被保険者証、身分証明書等



 7. 受給期間の延長と注意事項


妊娠・出産・病気・育児等で30日以上就職できない場合、最長3年間延長可能。延長申請は条件に応じて早めに。



 8. 不正受給のリスクとペナルティ


故意・虚偽申告は重いペナルティの対象に。虚偽給付の返還や刑罰、信頼失墜の可能性があるため、正確な申告が必須。



 9. まとめと活用のポイント

• 早期再就職を支える安心制度

• 条件に応じて支給期間・手当が有利に

• スムーズな手続きと適切な情報提供が重要



病院、クリニック、歯科医院など医療業に強い医療専門の社労士事務所は

MSL社会保険労務士事務所





社会保険労務士 綱島 渉


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経歴

1989年 神奈川県生まれ

2013年 明治大学 理工学部 応用化学科 卒業

2013年 医療業界 人事部 入社

2023年 MSL社会保険労務士事務所 開業


約10年医療業界の人事部にて採用活動、人材定着プラン作成、労務トラブルの解決、就業規則の作成、労働、社会保険の手続き、給与計算業務に従事しておりました。

また、管理職も経験させていただきました。今まで、培った経験、専門知識、若さを活かし、お客様を全力でサポートさせていただきます。






 
 

MSL社会保険労務士事務所

〒243-0201 神奈川県厚木市上荻野2274-3

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