【社労士が解説】特定受給資格者及び特定理由離職者の範囲と判断基準について
- MSL社会保険労務士事務所 代表 綱島 渉
- 1 日前
- 読了時間: 3分

✅ 目次
✅ 1. 【概要】特定受給資格者と特定理由離職者とは
雇用保険の基本手当(俗に言う失業手当)について、両者に該当すると特典があります。
受給資格が短縮され、12か月要件が6か月に緩和される
場合によっては所定給付日数が延長される可能性あり
✅ 2. 特定受給資格者の範囲と判断基準
2‑1. 倒産・雇用変動による離職
会社の倒産、事業所閉鎖、移転などにより退職を余儀なくされた場合
大量雇用調整(30名以上)の届出がされた場合など
2‑2. 解雇や労働条件の著しい違反
解雇(重大な非行除く)
賃金未払いが2か月以上、または未払い月が直近6か月中3か月以上
賃金が85%未満に低下した
過重労働(連続3か月で45時間超/月100時間超など)
職種転換・配置転換における配慮不足
契約社員が3年以上継続雇用されながら更新されなかった場合
退職勧奨(懲戒以外)
法令違反や安全配慮義務の不履行
→ 離職票に記載の離職理由や証拠書類(賃金台帳・診断書・通知文)によって判断されます。
✅ 3. 特定理由離職者の範囲と判断基準
3‑1. 契約更新されなかった場合
「更新する場合がある」という条件付き契約だったのに、更新されなかった場合
3‑2. 妊娠・病気・介護など正当な自己都合
疾病・障害等で仕事が困難に
妊娠・出産・育児による離職
親族の看護・介護、通勤困難(結婚・転居・配偶者転勤等)
その他:「希望退職」などでもハローワークの認定要
→ 証明書類(医師診断書・住民票等)が必須
✅ 4. 判断手続き:ハローワークでのプロセス
離職票(事業主、本人記載)を確認
本人と事業主の主張内容を照合し、資料で裏付け
管轄ハローワークが最終判断
※事業主・失業者双方の主張では不十分で、証拠が重要です。
✅ 5.メリット:受給資格・支給日数が有利に
雇用保険の被保険者期間が1年間→6か月に短縮
所定給付日数が、通常の自己都合より長くなることあり
✅ 6. ⚠ 注意点:証拠資料と不正受給対策
離職理由によっては、事業主の誤記載が重いペナルティに繋がる
偽りや偽証で受給した場合、返還・3倍返し・刑罰対象となります
✅ まとめ
特定受給資格者・特定理由離職者に該当すると、失業手当の受給条件が格段に有利になります。
ただし、ハローワークの慎重な審査や証拠資料の提出が不可欠です。
「自分や離職者がどちらに該当するか不安」という場合は、早めに専門家や相談窓口へ確認することをおすすめします。
病院、クリニック、歯科医院など医療業に強い医療専門の社労士事務所は
MSL社会保険労務士事務所
社会保険労務士 綱島 渉

経歴
1989年 神奈川県生まれ
2013年 明治大学 理工学部 応用化学科 卒業
2013年 医療業界 人事部 入社
2023年 MSL社会保険労務士事務所 開業
約10年医療業界の人事部にて採用活動、人材定着プラン作成、労務トラブルの解決、就業規則の作成、労働、社会保険の手続き、給与計算業務に従事しておりました。
また、管理職も経験させていただきました。今まで、培った経験、専門知識、若さを活かし、お客様を全力でサポートさせていただきます。