育休中に副業はできる?社会保険・給付金・就業規則の注意点を社労士が解説
- MSL社会保険労務士事務所 代表 綱島 渉
- 9月24日
- 読了時間: 4分

✅ 目次
育児休業を取得している間に「少し収入を補いたい」「スキルを活かしたい」と副業を考える方は少なくありません。
しかし、育休中の副業には育児休業給付金や社会保険、就業規則との関係で注意すべき点が多くあります。ここでは、社労士の立場から詳しく解説します。
✅ 1. 育休中に副業は可能?
結論からいうと、法律上は育休中の副業を一律に禁止する規定はありません。
ただし、以下の条件を満たす必要があります。
• 勤務先の 就業規則や雇用契約で副業が禁止されていないこと
• 会社に無断で副業を行わないこと(多くの企業では副業許可が必要)
• 労務提供義務を負わない「育休中」であること
✅ 2. 育児休業給付金との関係
育児休業中に雇用保険から支給される「育児休業給付金」には、副業をすると影響が出る場合があります。
• 育児休業給付金制度では、就業日数(時間)の算定にあたっては、雇用保険の被保険者となっていない事業所で就業している日数(時間)も含まれます。
• 育児休業期間を対象として支払われた賃金の算定にあたっては、雇用保険の被保険者と
なっていない事業所から支払われた賃金は含まれません。
ケース① 雇用保険を徴収されている事業所で働く場合
育休中にもらった賃金が賃金月額の13%以下なら給付金は減額されません。
13%〜80%ですと、減額されます。
ケース② 別の事業所でアルバイトした場合
育休中に給付金をもらいながら他社でアルバイト等をして賃金を受ける場合には給付金(育休手当)が減額されません。
ただし、ひと月に10日を超えてかつ80時間を超えて働くと給付金の支給はストップするので気をつけてください。
ケース③ 個人事業主としてウーバーイーツ、ブログ、youtubeなどを運営
雑所得になるので、育児休業給付金は減額されません。
✅ 3. 社会保険(健康保険・厚生年金)への影響
• 育休中は、会社員であれば 健康保険料・厚生年金保険料が免除されます。
• 副業が「給与所得」でも「事業所得」でも、社会保険料免除の資格は継続します。
• ただし、副業で大きな収入を得て「メインの職業が副業」と判断されると、社会保険の加入要件が変わる可能性もあり。
✅ 4. 就業規則上のリスク
最も注意すべきは「勤務先との関係」です。
• 会社が副業を禁止している場合 → 懲戒対象になる可能性
• 医療職・専門職の場合 → 副業先でのトラブルが本業に影響するリスク
• 特に「競合他社での勤務」や「機密情報の漏えい」には厳しい
👉 副業を希望する際は、必ず会社に相談・許可を得ることが必要です。
✅ 5. どんな副業なら現実的?
育休中でも比較的トラブルが少ない副業例
• クラウドワークス・ランサーズ等での在宅業務
• ブログ・ライター・デザインなどスキルを活かした仕事
• ウーバーイーツなどの個人事業
• 資格試験やスキルアップのための活動(将来収益化を見込んだもの)
✅ 6. まとめ
• 法律上、育休中に副業は可能
• ただし「育児休業給付金」「社会保険料免除」には直接影響しないものの、会社の就業規則が最大のポイント
• 無断副業はトラブルの元 → 必ず会社に確認
• 将来のキャリアを意識しつつ、負担にならない範囲で選択することが大切
👉 社労士としてのアドバイスは、
「収入補填のためだけに副業を考えるのではなく、将来のキャリア形成やスキルアップにつながる活動として捉えること」です。
病院、クリニック、歯科医院など医療業に強い社労士事務所は
MSL社会保険労務士事務所
社会保険労務士 綱島 渉

経歴
1989年 神奈川県生まれ
2013年 明治大学 理工学部 応用化学科 卒業
2013年 医療業界 人事部 入社
2023年 MSL社会保険労務士事務所 開業
約10年医療業界の人事部にて採用活動、人材定着プラン作成、労務トラブルの解決、就業規則の作成、労働、社会保険の手続き、給与計算業務に従事しておりました。
また、管理職も経験させていただきました。今まで、培った経験、専門知識、若さを活かし、お客様を全力でサポートさせていただきます。








