【75歳以上も算定基礎届が必要です】高年齢者の社会保険実務に注意!
- MSL社会保険労務士事務所 代表 綱島 渉
- 2 日前
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📕 目次
✅ 算定基礎届とは?
算定基礎届は、毎年7月1日現在に在籍している健康保険・厚生年金保険の被保険者について、4〜6月の報酬実績を基に保険料の等級を決定する手続きです。日本年金機構に提出され、健康保険組合や協会けんぽを通じて保険料が決まります。
✅ 75歳以上が対象になるケースとは?
70歳以上の従業員は厚生年金保険、75歳以上の従業員は健康保険の資格を喪失しますが、75歳以上で社会保険加入対象者は在職老齢年金額の決定に必要となるため、算定基礎届の提出が必要です。
※重要なのは75歳以上で社会保険加入対象者に該当するかどうかです。例えば週1〜2日のパート職員は提出不要になります。
✅ 社会保険加入対象者とは?
・従業員51人以上の企業の場合
下記全てが当てはまる方が対象になります。
週の勤務時間が20時間以上
給与月額88,000円以上
2ヶ月を超えて働く予定がある
学生でない
・従業員51人未満の企業の場
週の勤務時間が常勤職員の4分の3以上の方が対象になります。
✅ 75歳以上でも届出が必要な理由
在職老齢年金額の決定に必要だからです。厚生年金の報酬比例部分と総報酬月額相当額の合計額が50万円を超える場合は、年金額が減額されます。
※50万円に基礎年金部分は含みません。
※総報酬月額相当額=標準報酬月額 + (直近1年間の標準賞与額の合計 ÷ 12)
例:標準報酬月額が20万円、直近1年間の標準賞与額の合計が150万円の場合
総報酬月額相当額 = 20万円 + (150万円 / 12) = 32.5万円
✅ 対象者を見落とさないポイント
健康保険の被保険者資格喪失で「自動的にすべての社会保険が終了」と勘違いしやすいため、注意が必要です。
事業所内で75歳以上の従業員がいる場合、注意が必要です。
✅ 実務上の注意点
書類の記入時に被保険者整理番号の記載は不要です。ただし、70歳以上ではマイナンバーの記入が必要となります。
✅ まとめ
75歳以上の従業員が在籍していて社会保険加入対象者に該当するかどうかです。例えば週1〜2日のパート職員は提出不要になります。「高齢だから対象外」と決めつけず、年齢にかかわらず加入状況を確認したうえで、漏れなく届出を行うことが重要です。特に高年齢者雇用が進む中、実務担当者には正確な知識と対応が求められます。