入社時に必要な手続きについて社労士が解説!!
- MSL社会保険労務士事務所 代表 綱島 渉
- 10月14日
- 読了時間: 4分

新しく従業員を採用したとき、必ず行わなければならない「入社手続き」。
書類の準備や社会保険・労働保険の手続きが多く、初めて人を雇う企業にとっては戸惑うポイントでもあります。
今回は社会保険労務士の立場から、入社時に必要な手続きと注意点をわかりやすく解説します。
✅ 目次
✅ 1. 労働条件通知書の交付
労働基準法では、労働者を雇う際に労働条件を書面で明示することが義務とされています。
具体的には以下の項目です。
• 契約期間
• 就業場所・従事する業務内容
• 始業・終業時刻、休憩時間、休日、休暇
• 賃金(基本給、手当、締日・支払日など)
• 退職に関する事項(解雇条件など)
近年は電子交付も認められていますが、必ず記録が残る形で渡すことが必要です。
✅ 2. 雇用契約書の取り交わし
法律上は必須ではありませんが、雇用契約書を双方で取り交わすことが望ましいです。
トラブル防止のためにも、労働条件通知書と内容を一致させ、従業員本人の署名・押印をもらっておきましょう。
社労士視点では労働条件通知書兼雇用契約書を作成し、労使双方で保管するといいでしょう。
✅ 3. 社会保険の加入手続き
正社員や所定労働時間が通常の4分の3以上の従業員を雇う場合は、健康保険と厚生年金保険に加入させる必要があります。
※特定適用事業所(社会保険の被保険者数が51人以上の事業所)の場合は週の所定労働時間が20時間以上の従業員
提出書類は以下の通りです。
• 健康保険・厚生年金保険 被保険者資格取得届
• 健康保険 被扶養者異動届(扶養家族がいる場合)
提出先は日本年金機構(年金事務所)です。
✅ 4. 雇用保険の加入手続き
週20時間以上働き、31日以上雇用される見込みのある従業員は雇用保険の対象となります。
• 雇用保険 被保険者資格取得届
こちらはハローワークへ提出します。
✅ 5. 労働保険(労災保険)の確認
労災保険は、労働者を1人でも雇えば原則として全員が自動的に適用されます。
ただし、年度更新や保険関係成立の届出が必要な場合がありますので注意しましょう。
✅ 6. 社内で必要な提出書類
行政への届出とは別に、会社として従業員から次のような書類を受け取っておく必要があります。
• 住民票記載事項証明書やマイナンバー確認書類
• 扶養控除等申告書(年末調整に使用)
• 緊急連絡先届
• 通勤経路・通勤手段に関する申告書
これらは会社が正しく給与計算や年末調整を行うために欠かせません。
✅ 7. 入社時研修・就業規則の周知
入社手続きと同時に、就業規則の説明・社内ルールの周知を行うことも大切です。
トラブル防止のため、研修やオリエンテーションで確認する仕組みを整えておきましょう。
✍️ まとめ:社労士に相談しながら正確な手続きを
入社時の手続きは、労務管理の第一歩です。
必要な届出を漏れなく行うことはもちろん、書類の保管や従業員への説明を適切に行うことで、後々のトラブルを防ぐことができます。
特に社会保険・労働保険の加入要件は複雑な場合もありますので、迷ったときは社労士に相談するのがおすすめです。
「最初の1人目からきちんと整える」ことが、安心経営への近道となります。
病院、クリニック、歯科医院など医療業に強い社労士事務所は
MSL社会保険労務士事務所
社会保険労務士 綱島 渉

経歴
1989年 神奈川県生まれ
2013年 明治大学 理工学部 応用化学科 卒業
2013年 医療業界 人事部 入社
2023年 MSL社会保険労務士事務所 開業
約10年医療業界の人事部にて採用活動、人材定着プラン作成、労務トラブルの解決、就業規則の作成、労働、社会保険の手続き、給与計算業務に従事しておりました。
また、管理職も経験させていただきました。今まで、培った経験、専門知識、若さを活かし、お客様を全力でサポートさせていただきます。








