看護師の離職問題とその対策
- MSL社会保険労務士事務所 代表 綱島 渉
- 4月4日
- 読了時間: 2分
更新日:4月26日

1. はじめに
日本の医療現場において、看護師の離職率の高さが深刻な課題となっています。慢性的な人手不足や職場環境の問題により、多くの看護師が離職を選択している現状があります。本記事では、看護師の離職の主な原因や現状、離職を防ぐための対策について解説します。
2. 看護師の離職率と現状
厚生労働省の調査によると、看護師の年間離職率は10%前後とされており、特に若手の看護師において離職率が高い傾向にあります。病院や介護施設など、勤務先によっても離職率には差があり、人材確保が難しい地域ではさらに高くなる傾向があります。
3. 看護師の離職理由
看護師が離職を決断する理由には、以下のようなものがあります。
3.1. 労働環境の過酷さ
長時間労働や夜勤による負担
休日が少なく、ワークライフバランスが取れない
体力的・精神的ストレスが大きい
3.2. 人間関係の問題
上司や同僚とのコミュニケーションの難しさ
職場の人間関係によるストレス
ハラスメントの発生
3.3. 給与・待遇の不満
業務の負担に対して給与が見合わない
資格や経験に応じた適切な評価が得られない
3.4. 働き口が多い
資格者であるため、募集している施設が多く、容易に転職できる
常に超売り手市場である
3.5. プライベートとの両立
結婚・出産・育児との両立が難しい
家庭の事情で働き方を変えざるを得ない
4. 看護師の離職を防ぐための対策
4.1. 労働環境の改善
シフト制の見直しによる労働時間の適正化
休日の確保や有給休暇の取得促進
業務負担を軽減するためのIT導入
4.2. 人間関係の改善
メンター制度の導入
コミュニケーション研修の実施
相談窓口の設置
4.3. 給与・待遇の見直し
業務内容に見合った適正な給与の支給
夜勤手当や福利厚生の充実
適切な評価をし、給与差をつける
4.4. 職場独自の強みの形成
研修・教育プログラムの充実
専門性を高める資格取得支援
職員に職場の魅力を聞いてみる
4.5. ワークライフバランスの支援
育児休業や短時間勤務制度の充実
未就学児を育児する方が夜勤した場合、特別手当を支給する
5. まとめ
看護師の離職問題は、医療現場全体の課題であり、解決には職場環境の改善やキャリア支援が不可欠です。労働環境の整備や適正な評価制度を導入することで、看護師の定着率を向上させ、より良い医療体制を構築することが求められます。