雇用保険手続きにおける添付書類省略の承認を受ける方法を社労士が解説!
- MSL社会保険労務士事務所 代表 綱島 渉
- 15 時間前
- 読了時間: 4分

📕 目次
✅ 添付書類省略の承認とは?
雇用保険の各種手続き(例:離職票の発行、休業開始時賃金月額証明書、育児休業給付金支給申請書など)では、通常、賃金台帳や出勤簿などの添付書類が求められます。しかし、一定の条件を満たす事業主や社会保険労務士(社労士)は、これらの添付書類の提出を省略する「照合省略」の承認を受けることが可能です。この制度を活用することで、手続きの効率化や負担軽減が期待できます。
✅ 添付書類省略の承認を受けるメリット
1. 事務作業の効率化と負担軽減
賃金台帳や出勤簿などの確認書類の添付が不要となるため、書類の準備や提出にかかる時間と労力を削減できます。特に従業員数が多い企業では、手続きの迅速化が図れます。また、紙で提出場合は用紙代、インク代を節約できます。
2. 電子申請との相性が良い
電子申請を活用することで、さらに手続きの簡素化が可能です。電子申請特有の添付書類についても、省略が認められる場合があります。
3. 全国のハローワークでの適用
社会保険労務士が照合省略の承認を受けた場合、全国のハローワークにおいて添付書類の省略が可能となります。これにより、複数拠点を持つ企業でも一貫した手続きが実現できます。
⚠️ 添付書類省略の承認を受けるデメリット・注意点
1. 承認要件の厳格さ
過去の事務処理実績や法令遵守状況など、複数の要件を満たす必要があります。要件を満たさない場合、承認を受けることができません。
2. 承認後の遵守義務
承認後も、ハローワークの助言・指導に適切に対応し、事後のサンプリング調査に協力する義務があります。これらに適切に対応しない場合、承認が撤回される可能性があります。
3. 省略できない書類の存在
母子手帳のコピー、生年月日の確認書類、通帳のコピーなど、一部の書類は省略の対象外となります。これらの書類については、引き続き提出が必要です。
4. 賃金、出勤簿など間違えて手続きした場合に気づけない
ハローワーク、電子申請などで賃金、出勤簿など間違えて手続きした場合、気づくことが困難であり、基本手当(巷では失業給付)、育児休業給付金の額が変わってしまい、離職者、育児休業者へ不利益が生じるかもしれません。

📝 承認を受けるための要件
照合省略の承認を受けるには、以下の要件を満たす必要があります
• 適正な事務処理の実施
過去の申請・届出において、誤りや不備がないこと。
• 届出実績の有無
一定数の手続き実績があること。
• 雇用保険制度への協力
ハローワークが主催する研修会等への積極的な参加など、制度の円滑な実施に寄与していること。
なお、承認後であっても、以下のような場合には承認が撤回されることがあります
• 労働保険・雇用保険関係法令に違反した場合。
• 事務処理の怠慢や誤りが発生した場合。
• サンプリングによる事後調査に協力しない場合。
• その他、照合省略の対象事業主として不適切と認められる行為があった場合。
📄 申請手続きの流れ
1. 申出書の提出
• 事業主の場合
「確認書類の照合省略に係る申出書(事業主用)」を、事業所の所在地を管轄するハローワークへ提出します。
• 社会保険労務士の場合
所属する都道府県社会保険労務士会を通じて、管轄の都道府県労働局へ申出を行います。
2. 審査と承認
提出された申出書は、ハローワークまたは労働局において審査され、要件を満たしていると認められた場合に承認されます。
💡 承認後の活用と注意点
• 全国での適用
社労士が照合省略の承認を受けた場合、全国のハローワークにおいて添付書類の省略が可能となります。
• 電子申請の推進
電子申請を活用することで、手続きの効率化がさらに図れます。
• 定期的な見直し
事務処理体制の変更や法令改正に伴い、承認の継続要件を満たしているか定期的に確認することが重要です。
🧭 社労士のサポート
照合省略の承認を受けることで、雇用保険手続きの効率化が期待できますが、要件の確認や申請手続きには専門的な知識が求められます。申請ミスしないためにも専門家である社労士に依頼することをオススメします。
社労士は、事業主の皆様がスムーズに承認を受けられるよう、申請書類の作成や手続きのサポートを行っています。お気軽にご相談ください。
MSL社会保険労務士事務所では、医療機関向けに特化した労務サポートを提供しています。