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【社労士が解説】月の途中で雇用保険に加入したら、保険料はどう計算する?

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「勤務時間が途中から増えて雇用保険に加入したけれど、保険料はどうやって計算されるの?」

このような疑問をお持ちの事業主や労働者の方は少なくありません。


この記事では、月の途中で雇用保険に加入した場合の保険料の計算方法について、社労士がわかりやすく解説します。




✅ 目次






✅ 雇用保険料の基本的な仕組み


雇用保険料は、次のように計算されます。


雇用保険料 = 賃金総額 × 雇用保険料率


この「賃金総額」は、その月に支払われたすべての賃金が対象です。

つまり、加入前の勤務分も含めた賃金に対して保険料が課されるのが原則です。



✅ 2025年度の雇用保険料率(一般の事業)

負担者

保険料率

労働者

0.55%

事業主

0.9%

合計

1.45%


※農林水産業・建設業など一部業種では異なる率が適用されます。



✅ 実例で解説:月の途中で週20時間勤務に変更された場合


例:

  • 労働者Aさん

  • 8月1日〜15日:週15時間勤務(雇用保険の加入要件に該当しない)

  • 8月16日〜:週20時間勤務(雇用保険に加入要件を満たす)

  • 月給:20万円(8月分として支給)


この場合の雇用保険料は?


加入日は 8月16日 ですが、8月に支払われた賃金**全額(20万円)**が保険料の対象になります。


  • 労働者負担:

     20万円 × 0.55% = 1,100円

  • 事業主負担:

     20万円 × 0.9% = 1,800円


合計:3,100円







✅ なぜ加入前の賃金まで保険料がかかるの?


厚生労働省の通達により、雇用保険に加入した月は、その月の全賃金を対象に保険料を計算するとされています。

日割り計算ではなく、月単位で判断されるのがポイントです。



✅ 実務での注意点

項目

内容

資格取得日

勤務時間が増加し、要件を満たした日から

賃金の対象範囲

その月に支払われたすべての賃金(加入前含む)

給与天引き

通常はその月の給与から労働者負担分を控除



✅ よくある誤解


「加入日からの日数分だけ保険料がかかるのでは?」という誤解は多くあります。

しかし、雇用保険では日割り計算は行われません。その月に支払われた給与全額が対象です。



✅ まとめ


  • 月途中の加入でもその月の賃金全体に保険料がかかる

  • 計算はシンプルに「賃金総額 × 保険料率」

  • 加入要件を満たした日が「資格取得日」となる

  • 実務では、適切な保険料の控除と届け出が大切




病院、クリニック、歯科医院など医療業に強い社労士事務所は

MSL社会保険労務士事務所





社会保険労務士 綱島 渉


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経歴

1989年 神奈川県生まれ

2013年 明治大学 理工学部 応用化学科 卒業

2013年 医療業界 人事部 入社

2023年 MSL社会保険労務士事務所 開業


約10年医療業界の人事部にて採用活動、人材定着プラン作成、労務トラブルの解決、就業規則の作成、労働、社会保険の手続き、給与計算業務に従事しておりました。

また、管理職も経験させていただきました。今まで、培った経験、専門知識、若さを活かし、お客様を全力でサポートさせていただきます。






 
 

MSL社会保険労務士事務所

〒243-0201 神奈川県厚木市上荻野2274-3

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